最後の恋はアナタの隣で
「……まじウゼェから消えて。それが一番嬉しいんだけど」

「……」

半分くらい本音が混ざってる悪態をついても――ミサキはただ黙り込むだけで、頑として私の前から動こうとしない。


ミサキの他人に対する執着は本当に凄いと思う。


私はミサキのそんなところが大好きで、羨ましいとさえ思っていたのに、今はそんな感情を微塵も抱けない。


「何て厄介で面倒臭い奴なんだ」って、心の底からそう思う。


何をすれば、何を言えばミサキが離れてくれるのか分からず、私は重い溜息を吐き出した。


そして、仕方なくもう一度キツイ言葉を言ってしまおうとした矢先――教室の入り口にリンの姿が見えた。


私はリンの顔をジッと見つめる。
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