最後の恋はアナタの隣で
接客中、私の会話は全部無視。

テーブル移動の時には、足を引っ掛けて転ばされた。


ヘルプ席に座ってお客さんのお酒を作ってたら、腕にさりげなく煙草の火を当てられたり。

グラスの中に煙草の灰を落とされたり。


トイレに行って戻って来たら、焼酎の割合がロックになっていたりもした。


わざとグラスを倒された時は、さすがに殺意が湧いた。


咄嗟《とっさ》にドレスを持ち上げたから足しか濡れなかったけど、もしドレスが濡れてたら大暴れしてたところだ。


春樹さんに買ってもらったドレスだけは、何があってもユカリ達の犠牲にしたくない。


その一心でどんな仕打ちにも耐え、何を言われても反抗せずに大人しくしていると、いつもより早めに営業時間が終了した。
< 258 / 464 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop