最後の恋はアナタの隣で
じゃれ合いが終わると春樹さんはすぐにお風呂に入り、仕事に行く支度を始めた。


春樹さんがお風呂に入ってる間に準備を済ませていた私は、髪の毛を軽くセットしてスーツに着替える春樹さんの姿を、ソファに座ってボンヤリと眺める。


全ての身支度を終え、私の隣に腰をおろした春樹さんは煙草に火を点け、ガラステーブルの下にあるラックから香水を取り出した。


それを手首にシュッシュと吹きかける春樹さんに思わず、


「私もその香水つけたい」

そうお願いしたのはやっぱり――独占欲が占める割合が多い気がする。


「え? これ?」

「うん」

「でもブルガリは女の子向きじゃないと思うぞ? 何か買ってやろうか?」

「ううん。それがいい。春樹さんと同じ香水がいい」
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