最後の恋はアナタの隣で
私がそう言うと、春樹さんは少しハニかんで、私の手首にブルガリの香水を吹きかけてくれた。


途端に包まれる春樹さんと同じ香りに、フワフワと幸せな気分になる。


まるで春樹さんに抱き締めてもらってるような、そんな幸せな感覚に陶酔する。


これでどんな嫌がらせにも完璧に耐えられると、そう安心してる私に向かって、


「あ、そうだ。今日から一緒に店入ろうな」

……春樹さんは満面の笑みで、思わぬ不安材料を投下した。


数秒の間を空けて「は?」と野太い声を吐き出した私は、春樹さんを見つめたまま固まった。


「別々に入るの面倒臭いし、涼が気にしてたユカリさんにはもうバレてるんだしさ、気にする事ないだろ?」

「いや、まぁ、確かにそうだけど……でも……え?」
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