最後の恋はアナタの隣で
「何だ? 俺と一緒に入るのがそんなに嫌なのか?」

「ちがっ、そうじゃない! 全然嫌じゃないよ!」

少しだけ表情を曇らせた春樹さんに、私は慌てて否定した。


確かにユカリにバレてるし――ていうか、お店のキャスト全員にバレてるから、そこはもう気にしてない。


だけど、二人で一緒に出勤した場合、私と春樹さんの関係が確実にママにバレてしまう事になる。


それはつまり――私のクビを意味する。


「……春樹さんは……私と一緒に働けなくなっても良いの……?」

「は? どういう意味だ?」

「だって……付き合ってる事がママにバレたら私はクビになるんでしょ……?」

「クビ?」

「うん……」

「何だそれ。ママに何か言われたのか?」
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