最後の恋はアナタの隣で
「あのっ……自分で冷やすんでオシボリ貸してください……」
「遠慮しないで良いですよ」
「……」
こんな至近距離にいたら緊張するから自分でやるって言ってんのに――なんて、口が裂けてもそんな事は言えない。
春樹さんの手首からフワリと香る香水の匂いに、心がグラグラと揺れる。
「涼さん」
「……はい」
「悔しいのは分かるけど、あんな風に言い返したら駄目だよ?」
「……え? なっ……何でですか?」
いきなりタメ語になった春樹さんに驚いて、一瞬間を空けて声を発した。
「酔っ払ってる人はね、心にもない事を言ってしまう時があるんだよ。だから、あんなのは聞き流せば良い。じゃないと疲れるよ? それに――」
春樹さんはそこまで言うと、一旦言葉を止めて薄っすらと笑う。
綺麗な顔が、更に綺麗に見えた。
「遠慮しないで良いですよ」
「……」
こんな至近距離にいたら緊張するから自分でやるって言ってんのに――なんて、口が裂けてもそんな事は言えない。
春樹さんの手首からフワリと香る香水の匂いに、心がグラグラと揺れる。
「涼さん」
「……はい」
「悔しいのは分かるけど、あんな風に言い返したら駄目だよ?」
「……え? なっ……何でですか?」
いきなりタメ語になった春樹さんに驚いて、一瞬間を空けて声を発した。
「酔っ払ってる人はね、心にもない事を言ってしまう時があるんだよ。だから、あんなのは聞き流せば良い。じゃないと疲れるよ? それに――」
春樹さんはそこまで言うと、一旦言葉を止めて薄っすらと笑う。
綺麗な顔が、更に綺麗に見えた。