最後の恋はアナタの隣で
「行くかもしれないし、行かないかもしれない。でも、どっちみち勉強はしないといけないから、今のうちに本腰入れて勉強しようよ」

続けて出されたその提案に、私はとうとう堪えきれず盛大な溜息を吐き出した。


……本腰入れて勉強って、何?
千秋は塾にでも通えって言ってるの?


生憎、私は習い事が続く性格じゃないんだけど。


「いや、でも、塾に通うお金とか持ってないし」

言いながら、春樹さんに助けを求めようと思い左隣に視線を送ると――春樹さんは千秋と目を合わせて怪しげな笑みを浮かべていた。


それを見た私の頭の中には“まさか”という疑念が生まれる。

疑念というか、最早――確信に近い。


……この二人はグルなんじゃないのだろうか。
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