最後の恋はアナタの隣で
それを聞いた千秋は、


「気持ち良さそうって……何かそれ、いやらしいね」

“気持ち良さそう”の意味をわざと“そういう”表現に変えた挙げ句、自分で言ったくせにプッと吹き出した。


「……男ってそういう事しか考えてないの?」

呆れた私はゲンナリした声を吐き出す。


「男も女も考える事は同じだよ」

「私はそんな事考えたりしないけど」

「いつか涼ちゃんも考えるようになるよ。さ、休憩終わり!」

千秋のその言葉と共に、私の目の前には再び数学の参考書が開かれ、地獄のようなお勉強会が再開された。



今回千秋に勉強を教えてもらって気が付いたけど、私は自分が思ってるほど勉強が出来る人間ではないようだった。


でもそれは“頭が悪い”っていう意味ではなくて、ただの“ど忘れ”。
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