最後の恋はアナタの隣で
「飲んで良いの?」

「一杯くらいなら寝酒に丁度良いからね」

「ありがとう!」

まさかカシスオレンジが飲めるとは思ってなくて、私のテンションは一気に上がった。


千秋の手からカシスオレンジを受け取るとすぐさま口に運び、幸せな気分に浸る。


甘酸っぱい味と、ほんの少しのアルコール感が堪らない。


半分くらい飲み切ったところで口を離し、テーブルの上にグラスを置くと、


「カクテルはそういう飲み方をする物じゃないよ」

向かいに座ってる千秋は笑いながらそう言って、茶色い液体を一口飲み込んだ。


良い匂いがする煙草を片手に、足を組んで茶色い液体を飲んでる千秋が更に綺麗に見えて――…


「それ……何てお酒?」

私は思わずそんな質問を口にする。
< 304 / 464 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop