最後の恋はアナタの隣で
……何だか春樹さんにソックリだ。


もし春樹さんがこの場にいたら、きっと同じ事をしてただろう。


私はカシスオレンジを一口飲んで勢いづけると、


「もう勉強しないから!」

悪戯好きな千秋に反抗的な態度で挑んだ。


――でも。


「え? 良いの?」

「良い!!」

「本当に良いの?」

「え? いや……だって……」

せっかくつけた助走は、千秋の微笑みによっていとも簡単に失速してしまう。


手の平で転がされてるような状況に、ジワリジワリ恥ずかしくなってきた。


「だって、千秋が意地悪するし……」

恥ずかしさで口篭る私の声は、千秋に聞こえてるのか分からないほど小さくて。


そんな私を見てフッと笑った千秋は、
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