最後の恋はアナタの隣で
春樹さんと千秋がグルになって生まれた地獄の二時間。


その発案者が誰なのか、私にはそれを知る権利と義務があるような気がする。


質問を聞いた千秋は満面の笑みでウイスキーを飲み干すと、


「俺が提案した」

悪びれる様子もなく堂々と暴露して、空になったグラスをテーブルの上にコトンと置いた。


「何でそんな余計な事を……!」

「春樹が心配してたから」

「……心配?」

「うん。家で勉強してる感じがないんだけど、高校行かねぇのかなぁ? って」

「……」


確かに私は、家で全く勉強してない。
その前に、教科書すら持ち帰ってない。


落書きされた教科書を持ち帰ったところで春樹さんの前で広げられるわけがないし、見つかれば大変な事になるだろうから、学校に起きっぱなしの状態だ。
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