最後の恋はアナタの隣で
頭の中に浮かぶのは悪い結末ばかり。


夏休みに入ってからも春樹さんとの時間を増やす事が出来なかった所為で、余裕だとか自信だとかっていう物が一切湧いてこない。


窓から見える景色が見慣れない物に変わっていくにつれて、私の不安はジリジリと、その大きさを増していった。



「――…どうにか間に合った」

出発して一時間ほどが経った頃。

海辺近くのパーキングに車を止めた春樹さんは、言葉と共に安堵の溜息のような物を吐き出した。


そして、シートベルトを外して運転席の扉を開けると、急いで車から降りて行く。


その流れるような素早い動きに、私の不安はピークに達した。


……ここから踏み出した先に待ち受けてるのは――良い結末なのか、悪い結末なのか。
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