最後の恋はアナタの隣で
一本しかないその道の先に見えるのは、船が幾つも停泊している港だった。


そんな所に行って何を食べるんだろうと疑問に思いながらも、特に何も質問せず春樹さんについて行った私は、


「わ! 何、ここ!?」

港の敷地内に入ってすぐ右手にある建物に足を進め、その建物の自動扉が開いた途端、驚きの声をあげた。


目の前に広がる、馬鹿デカイ大きさのフロア。


赤い絨毯が隅まできっちり敷き詰められてる床には、皮張りの二人掛けソファが入り口から正面のカウンターに向かって真っ直ぐ五列、横に四列並んでる。


カウンターの中にはスーツ姿の女の人が二人立っていて、品の良い笑顔を浮かべながら私達にペコリとお辞儀をしていた。
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