最後の恋はアナタの隣で
「何のチケットなの?」

「クルージングディナーのチケット」

「クル……え? 何?」

「クルージングディナーだよ。船に乗って飯食ったり夜景見たりするやつ」

「えええぇ!?」

説明を聞いて本日二度目となる驚きの声をあげたのは――幸いにも建物から出た後だった。


「何それ!? そんな高そうな物買わなくても良かったのに!!」

「別に高くなかったから気にすんな」

「嘘だ!! 高かったに決まってる!! それなら家で食べた方が、」

「今日は特別な日だから」

「……へ?」

「俺にとって今日は特別な日なんだよ。だからこれくらいの事しても良いだろ?」

私の目を見つめ――そう言った春樹さんの顔には優しい笑顔が広がってて――当然の如くドキドキした。
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