最後の恋はアナタの隣で

自分の意思とは全く関係なく、呼吸が乱れてヒューヒューと喉が鳴る。


頭がクラクラして、酸素が足りないような感覚に陥り、口を大きく開けて呼吸を繰り返した。


だけど、いくら吸っても満たされない。

苦しくて、気持ち悪くて、胃の中の物が込み上げてきそうになる。


そしてとうとう、膝から崩れ落ちそうになったその時……


「相澤!?　大丈夫か!?」

……宮沢の声と、駆け寄ってくる足音が、どこか遠くの方から聞こえてきた。


「おい！　しっかりしろ！　相澤！」

目を開けてるはずなのに、宮沢の顔を捉える事が出来ない。


温もりは確かに傍にある。
声だってすぐ近くにある。


だけど宮沢の顔を見る事が出来なくて――…体がフワリと浮いた瞬間、私の意識はほとんどなくなった。