最後の恋はアナタの隣で

「え、でも、まだ誰も出勤してきてないよ？」

「大丈夫。今日の従業員にはスペアキー渡してるから」

言いながら扉を開け、私に振り返る千秋。


「そっ、それ早く言ってよ！」

私は荷物を持って慌てて立ち上がり、扉を押さえて待っててくれている千秋に小走りで駆け寄った。


私が先にお店から出ると、後から出てきた千秋はしっかりと扉の鍵を閉め、真向かいにあるパーキングに向かう。


その後ろについて行き、千秋の車に二人で乗り込むと、千秋はすぐに職場へと車を走らせた。


今日は、千秋が考えてくれた“イジメの解決策”実行の日。


一体どんな方法でイジメをなくすのか想像していると――千秋は以前と同じようにお店の前を通り過ぎ、左側にあるパーキングに車を入れた。