最後の恋はアナタの隣で
――って、そんな事を考えていたのがいけなかったのか。


「涼ちゃんは何歳なの?」

春樹さんはすぐに私の年齢を聞いてきた。


「なっ、何言ってるんですか? 履歴書に書いて、」

「怒らないから本当の事言って良いよ」

「……」

嘘をつこうとした私を遮って、春樹さんが口許に笑みを作る。


私は黙り込んで春樹さんの横顔を見つめた。


……どうしよう。
これはマズイ雰囲気だ。

諦めて本当の事を言った方が良いのかな?

でも……本当の年齢を知ったら春樹さんは……


「チャイム」

「……へ?」

「昼に電話した時、すぐ近くでチャイムが鳴ってた。校内にいないと普通はあんな風に綺麗に聞こえないよ」

「あ……あれは……」
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