最後の恋はアナタの隣で
……もう、恥ずかしいってもんじゃない。


車の扉を開けて今すぐ飛び出したいって、そう思うくらいの失態だった。


春樹さんの事なんて何も知らない。


優しくて、強くて、六歳年上で、“春樹”って名前だっていう事しか知らない。


私の携帯番号を調べて電話してきた意図も、本当のところなんて何も分からない。


それなのに。

何も知らない相手なのに。


“アナタの事が好きだから嫌われたくなかった”みたいな発言をして……


……私ってただの馬鹿じゃん。


「涼ちゃん」

「は……はい……」

「俺と付き合わない?」

「……え!?」

一瞬、頭がおかしくなって聞き間違えたのかと思った。


だって、春樹さんみたいな人が私なんかにそんな事言うはずない。
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