最後の恋はアナタの隣で
学校が終わってすぐに家に帰ると、お風呂に入って仕事に行く支度を始めた。
なるべく未成年に見えないようなメイクをして、着ていく洋服にも細心の注意を払い、日が暮れてから家を出た。
駅に向かう途中で、仕事から帰って来たお母さんと偶然すれ違ったけど、お母さんは一瞬こっちを見ただけで、話し掛けてはこなかった。
……お母さんと最後に喋ったのって、いつだっけ?
そんな事をふと考えながら、駅までの道のりを急ぐ。
理由なんてよく分からないけど、春樹さんに会いたくて仕方なかった。
だから自然と足早になってて――繁華街のある駅に降り立った私は、お店の前に着く頃には少しだけ息があがってた。