最後の恋はアナタの隣で
乱れた呼吸を整えるのに反比例して、胸がどんどん高鳴っていく。


お店の扉に手をかけると、緊張がプラスされてゴクリと喉が鳴った。


少しだけ逃げ腰になりながら、それでも“春樹さんに会いたい”っていう――最早“衝動”に近い感情のまま勢い良く扉を開け、


「涼~!! おはよぉ~!!」

……いつも通りのテンションを越すテンションで抱きついて来たユカリに、思わず溜息を吐き出した。


ユカリと友達になって一年半経つけど、抱きつかれる程仲が良いってわけじゃない。


その前に、例え仲が良くても私はこういう事をするタイプじゃない。


「……ちょっと。離れてよ」

ユカリの体に纏わりついてる、甘ったるい香水の香りに頭痛を起こしそう。
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