最後の恋はアナタの隣で
だから一刻も早く離れてほしいのに、


「やだ~。だって、超久しぶりなんだもんっ!」

“空気を読む”って事を知らないらしいユカリはそう言って、私に抱きついたままピョンピョン跳ねだす始末。


……そんな事は男相手にやってくれよ。

今度はさっきよりも深い溜息を吐き出し、なかなか離れようとしないユカリを無理矢理引き離すと、目だけを動かして店内を見回した。


話し掛ける事は出来ないけど、姿くらいは見ておきたい。


そう思って春樹さんを探したのに、見える範囲に春樹さんの姿はなかった。


「てかさ、涼に話したい事があるんだけど!」

「……話?」

春樹さんがいない事にガッカリしながら、それを表情に出さないようにしてユカリに視線を戻す。
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