最後の恋はアナタの隣で
ユカリと一緒に黒服さんの後をついて行き、バーカウンターの横にある廊下を奥まで進む。


突き当たりの真っ白な扉の前で振り返った黒服さんは、


「ここが衣装部屋です」

柔らかい笑みを見せ、その扉を開けてくれた。


十帖ほどあるかと思われるその部屋の中には、ドレスや化粧台、ヘアメイクセットが完備されていて。


「お好きなドレスを選んで、それに着替えたら出てきてくださいね。僕は部屋の前で待っています」

私達が中に入ると、黒服さんはそう言って静かに扉を閉めた。


――その瞬間。


「ねぇねぇ!! 涼!!」

興奮気味なユカリがいきなり詰め寄って来て、驚いた私は思わず一歩後退した。
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