王子な女好き
Chapter.1
* 男を見る目は糞並
「…暑い」
最悪。
あたし、海は焼けるから嫌いだって言ったのに。
「洋子も、海入ろうよー」
「そうだよー。そこじゃつまんないっしょ?」
夏休み半ば。
友達に誘われて来た海。
あたしはずっとパラソルの下で荷物係をしていた。
「大丈夫だしー。理佐(リサ)もサトシくんも他の皆と遊んできて」
そう微笑んだけど、本当は暑いし、今にも倒れそうだった。
「そう?…じゃ、荷物よろしくねっ」
理佐たちは、遠慮もせずに海へ掛けていった。