王子な女好き
* ただの思いつき
「あ。そのブレス、オニュー?」
理佐と雪ちゃんが、あたしが持っているブレスレットを指しながら聞いた。
「違うよ。友達の」
あたしは右手に持ったブレスレットをバッグにしまった。
友達?
自分で言っておきながら少し笑ってしまった。
矢沢さんが落としていったブレスレット。
可愛かったから着けて来ようと思ったけど、矢沢さんが気に入ってるものだとしたらヤバイからやめた。
「てゆーか昨日さぁ、大人な男の人と話してたでしょ?」
抜け駆けー?
と、雪ちゃんは肘であたしを突付いてからかった。