王子な女好き
 
 
「けーち」


小さな声で呟くと、淳はそこにあった雑誌で隠しながら


あたしにキスをした。


口の中に広がる甘く酸っぱい味。


…オレンジジュース。



「美味しかった?」

「……うん」


あたしと淳は、付き合っているわけではない。

ただの…幼馴染み。


お互い恋愛感情は持ってないのに、いつの間にかこんな関係になってしまった。


誰にも言ってないし、言う必要も無い。



でもそれが、心地良い。
 
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