王子な女好き
「じゃあなんであんたはあたしなんかにキスすんの」
「だって洋子、可愛いもん」
ほら、ふざける。
さっきは“ブサイク”みたいなこと言ってたのに、超矛盾してんじゃん。
…まぁいいや。
ぶっちゃけ、どうでもいい。
「はいは――」
「淳ー!!」
「あ、雪ちゃんが呼んでるー」
あたしの言葉は簡単に消されて、淳は雪ちゃんのほうに走っていった。
走っていく淳の背中を見つめ終わると、また1人になって暇だった。