王子な女好き
さ、もう一回雑誌でも読もうか
そう思っていたときだった。
「――すいません、ちょっと隠れさせて下さいっ」
低い声と共に1人の男の人がパラソルの中に入ってきた。
「…は?」
「ほんとすいません、…タオル借ります」
あたしが手に持っていたバスタオルを全身に被り、シートの上に横たわった。
新手のナンパ?
何コイツ的な目でその男を見ると、その男は「後で説明します」と言ってタオルを頭まで被った。
数秒後、すぐに女の人が走ってきた。
あぁ、修羅場か。
馬鹿なあたしでもすぐに状況が理解できた。