Prince and princess.
「熱はないみたいだけど?」
「そ?よ、よかったぁ~」




あたしは目を少し開けて、
床へと視線を下げた。





「あ、あの…手どけて?」
「あぁ~ごめん、ごめん」




王子は平然とあたしから離れた。




…寂しい…
急に王子が離れて、
寂しくなっちゃった…。



「あ、今日はちゃんと言ってもらお♪」
「へ??」




王子は満面な笑顔をあたしに向けた。




「昨日俺のこと楢木君、って呼んだじゃん」
「…あぁ」
「翔真って名前があんだよ?知ってる?」
「うん」
「じゃ呼んで?」




そんな甘い声で言わないでよぉ///
そのちょっとウルウルな視線を…
向けないで!




「早く」
「…しょ-ま」
「聞こえな~ぃ」
「…翔真!」
「よく出来ました」




王子はあたしの頭を優しく撫でた。




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