仮 レオの特別




「いいよいいよ。気にしないで。」




さっきまでは悪魔にしか見えなかったケントが天使のように笑う。こんなにいい人を殴ってしまった、という罪悪感で今にも泣きそうな気分。




「本当、人騒がせな人ね。」




と桃子。




「うっ…………。」



さすがに今日は言い返せない。




「よしっ、これでもう大丈夫よ。それにしても藤川さんたら……フフ。」




保健室の愛先生が私を見て笑う。




「本当……反省してます。」




*
< 19 / 90 >

この作品をシェア

pagetop