仮 レオの特別




その日一日は、なんだか変な気分だった。


玲央は撮影って言ってもお昼過ぎには、学校に戻ってきてたのに。


なかなか戻ってこなかった。




「……以上。明日は遅刻すんなよー。」




先生の言葉を最後に、今日は終わった。




キーンコーンカーンコーン




鐘の音とともに全員が教室をあとにする。


なかには、まだ友達と話す女子や忘れ物をする男子の姿があったりする。


けど、今日は玲央がいない。




「今日、一緒に帰ろうよ。」




真菜が心配そうに言ってきた。




「あー、いいや。ありがとう。」




「分かった。………ばいばい?」



私は小さく手を振り、いつもの帰り道を歩いた。




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