仮 レオの特別
Chapter6
ピンポーン
私は今、玲央の家の前にいる。
それというのも、うちの担任の田澤が「このプリント、沢崎の家に届けてくれ」と言い出したのがキッカケ。
「はい、どちら様でしょう。」
インターホン越しに聞こえたのは、若い女の子の声。
「あ、藤川です。藤川エマ。」
「藤川……さま、ですか?」
新人のメイドさん?
いつもなら名前を言えば、この無駄にデカい門を開けてくれるんだけど。
「あいにく、本日旦那様も奥様もおりませんが………。」
「あ、違うんです。玲央に用事が……」
「分かりました。では、どうぞ。」
ミシミシと音をたてて、門が開いた。
*