仮 レオの特別




保健室への道のりの途中。




「ねぇ、こっち違うんだけど。」




うちの学校は県内でもトップを誇る広さで、一年生は迷うようになっている。

私は二年だけど、こっちは違う気がする。




「…………。」




黙っている。




「あとさ、腕ちょっと痛いんだけど。」




より一層強く握られている右腕。




「いっ……。ちょっと、まじで放して。」




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