北の空が晴れた朝に
フェル・アスリープ
体育の後の教室は相変わらず、いろいろな意味の熱気に包まれていた。
次々に教科書を開くクラスメートの脇で、私は、シビアにレシートを広げていた。


「次ー授業変更で英語だってやー。」


えーまじでぇ、英語のテストやばいんだけどー。
そんな甲高い声が教室を埋めつくす。
普通の人は、女子高生の他愛もない日常の一幕だと思うだろうが…


「あ…平均、ウチのクラスが最下位だ…」


喜怒哀楽
一喜一憂
そんな言葉が似合う、青春の一ページだと思うだろうが…


「のぉ、山口さんはどう思う?四組、カンニングでもしぐらいの勢いじゃない?この伸び具合。」

「別に。頑張ったんじゃない?文系のクラスだし。」

ほら、嫌な顔をする。

結局、自分の思った通りに事が進まなければ嫌なのだろう。


笑顔なんて、嘘っぱちで、友情なんて、唯の見せ掛け。愛なんて、もっともっと空虚で、不様だ。           


「そだねー頑張ったんだろうね−…」


ほら、笑った。

でも、人が笑えば笑うほど、私の心は狭くなる。


…もう、誰も信じたくないから。
< 1 / 3 >

この作品をシェア

pagetop