余命30日
「あらすいませんっ」


どうやら誰かが花瓶を
倒したみたいだ。




「先生っありがとうございました…」


ママの声がする。



「いや…はい。手術には成功しましたが…」





手術?なんそれ…






「お嬢さんはもって後30日です。」





かわいそうに。

あたしの隣の子余命30日やてさあ。




「先生…そんなっ…何でまだこんな子が………」



ママ?何でママが
泣いてると?

ママ優しいさね…




「一度はなくなった命です。これが限界です。」



………限界?



「この子には…沙織にはもう未来がないって事ですか?」




え?沙織って…あたし?


声が出ん。
何の話しちょると?

聞きたいのに。


目が開かん。
どうなっとるんかみたいんに。









「私どもは力を出しきりました。」





ママ泣いてる。
子供のような大声あげて…





やっとわかった…

















死ぬのはあたし。




あたし死ぬんや。






後30日で………



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