大阪解体
第五章「最後の希望」
第五章『最後の希望』
もうまもなく夕暮れが近づこうとしている大阪の街に、警報とともに、大阪府知事・本橋のメッセージが、各場所に設置されたスピーカーから流れた。
「大阪のみなさん、知事の本橋です。皆様もすでにご承知のように、現在、大阪は中央からの無法な文化破壊攻撃を受けています。もはや大阪解体は誰にもとめることはできないところまで来ています」
人々は、本橋の力のこもった声の中に悲しみの翳を感じて、放送に聞き入った。
「ですが、我々は、我々の大阪を見捨てることはできません。そこで私は、皆さんのもっている『大阪的なもの』を一箇所に集め、ほとぼりが冷めるまで封印することを決定いたしました。臨時のことですので、議会も通していない、私の独断です。どうか皆さん、皆さんの『大阪』を私に分けてください」
次の瞬間、高くそびえる府庁の屋上にアンテナが出現し、地上に向かってその傘を広げた。
「皆さんの、皆さんの大阪を、府庁に向かって投げかけてください!みんなの大阪を私にわけてください!」
もうまもなく夕暮れが近づこうとしている大阪の街に、警報とともに、大阪府知事・本橋のメッセージが、各場所に設置されたスピーカーから流れた。
「大阪のみなさん、知事の本橋です。皆様もすでにご承知のように、現在、大阪は中央からの無法な文化破壊攻撃を受けています。もはや大阪解体は誰にもとめることはできないところまで来ています」
人々は、本橋の力のこもった声の中に悲しみの翳を感じて、放送に聞き入った。
「ですが、我々は、我々の大阪を見捨てることはできません。そこで私は、皆さんのもっている『大阪的なもの』を一箇所に集め、ほとぼりが冷めるまで封印することを決定いたしました。臨時のことですので、議会も通していない、私の独断です。どうか皆さん、皆さんの『大阪』を私に分けてください」
次の瞬間、高くそびえる府庁の屋上にアンテナが出現し、地上に向かってその傘を広げた。
「皆さんの、皆さんの大阪を、府庁に向かって投げかけてください!みんなの大阪を私にわけてください!」