バラバラ死体とシャルウィーダンス
この父親は……!
娘まだ10歳よ? そんな事知る必要無いわよ。
美幸ちゃんに「忘れて」と言っても無理な話。
IQ200の頭をなめてはいけない。
ほっぺたを赤くした美幸の視線が、私の首筋に向かう。
私は慌てて話をそらした。
「ところで、昨日言ってた容疑者候補のリストはどうなった?」
「あ、昨日寝る前にざっと挙げてみましたよ。はい」
美幸ちゃんから数枚の紙を渡された。
捲りながら流し読みする私の後ろから、フジハラさんも覗き込む。
「“K・M”と“Y・S”かな」
と言うので、
「何がですか」
と訊いた。
フジハラさんはケロッとした表情で
「何って、容疑者候補」
「何の根拠がありますか」
「勘」
「……………」
こいつは……っ。
私はフジハラさんを相手にせず、
「全部回るかね」
「いや、この二つだけ」
「はぁ?」
「上司命令。逆らったらクビな」
この野郎………。