バラバラ死体とシャルウィーダンス
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「なんで俺まで……」
「事件片付けて暇そうだったから」
うんざりした様な井村に、私は悪びれもなくそう答えた。
「○○県の××市のこの地域に居る容疑者候補を探しに行くからついてきてくれるよなもちろんほら行くぞ」
そう早口に言って、私は井村を無理矢理連れてきたわけだ。
一人で行くのは嫌だし、何より一緒に居たかった、という私は卑怯なのかも知れない。
○○県××市は私が住む県の隣で、電車で一時間弱しかない距離だ。
うだる井村を気にせず、私は早急にタクシーを手配して先ずは“K・M”の自宅へと向かった。
資料によれば“K・M”は過去に犯罪を犯したが、精神鑑定で疾患者と診断されたため今は保護観察中だ。
最近は安定していて、訪問医の話でも“更正”した可能性が高いとのこと。
「“K・M”は怪しくなさそうだな」
「そうね」