バラバラ死体とシャルウィーダンス
壊れ物
※※※※※※がガラスの置物を振り上げた時、私はぎゅっと目を閉じた。
能天にそれがぶち当たる瞬間を、待つためである。
しかし、
ガツン!
と鈍い音がしたのだが、その音が私の頭に響いたわけではなかった。
不思議に思って、顔を上げた。
「井村………」
「大丈夫か?」
何時のまにやら、靴箱に両手をついていた井村が私を見下ろしていた。
「怪我は?」
「無い……」
「そうか………」
井村の安堵したような表情を見て、私は井村が※※※※※※を倒したのだと思った。
「※※※は………? ―――…………井村っ」
顔を伝って、井村の鼻から私の手に落ちてきたものを見た瞬間、背筋が凍りついた。
血だ………。
私が立ち上がりかけた時、井村は膝から崩れ落ち、私に覆い被さる様に倒れた。
「ヒヒヒッ」
※※※※※※は体を揺らしながら引き笑いし、もう一度ガラスの置物を振り上げた。
「イヒヒヒッヒヒヒヒッ」
銃を出そうともがいたが、井村の体が重くて取れない。
このままでは井村に当たってしまう。
どうしよう―――……
「死ねっ、ヒヒヒッヒャハハハハハハハ」
「…………っ」
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