バラバラ死体とシャルウィーダンス
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病院の個室。
ベッドで眠る井村の寝顔を見て、少し安心した。
わりと元気そうには、見える。
あれから私は、フジハラさんの奥さんの車に乗せてもらい、救急車の後ろから車でついて行った。
病院に到着し、治療された井村は今、目の前にに眠っているわけだが。
どうも、なんだ。
この苛立ちは。
コレほど心配したのに軽傷?
しかも幸せそうに寝やがって。
理不尽な怒りをぶつけたかったが、私は井村に背を向けて個室を後にした。
病院の廊下の窓から見える外は、既に日が落ち、暗くなっていた。
「…………はぁ」
溜め息を吐き、私は歩きだした。
※※※※※※の妹もこの病院に入院したが、今は会いたくない。
そして※※※※※※は別の病院に運び込まれた。
精神病院だ。
※※※※※※が「殺人倶楽部」の管理人である可能性は皆無だ。
あの精神状態で、あのように頭の回った犯罪が犯せるわけがない。
すると怪しくなるのは〓〓〓〓〓である。
然し彼なのだろうか?
確かに頭は良いし、※※※※※※より精神状態は安定しているが、彼がそんな人間には思えない。
思案している最中に、尻のポケットの携帯が震えた。
「もしもし」
『おう、川上か?』
「フジハラさん。――――あなた、奥さんに尾行させてましたね」
『いやぁ、すまんな』
電話の相手はフジハラさんだ。
すまんと言いながらも、全く反省の“は”の字も無い笑い声がする。
「で、何の用ですか?」
『佐和田三喜男は、死んだぞ』
「……………は?」
そんな。
重傷であったとしても死ぬ程ではない筈だ。
何故だ。なんでだよ。
※※※※※※が、佐和田三喜男が、死んだ。
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