バラバラ死体とシャルウィーダンス
楽しみ
人生は楽しい。
やりたい事がたくさん。
人生は楽しい。
やりがいのある事ばかり。
人生は楽しみの連続だ。
悲しい出来事も楽しみに変えられる力がある。
「おはよう」
「おはようございます」
「今日の犯罪者達はどうなの?」
「今日も元気に殺ってます」
はたから聞けば危なげな会話だ。でも私にはこれが日常だ。
こんなスリル満点の仕事も、人生の楽しみ。
私はデスクに座って、パソコンの電源を立ち上げた。
「データを此方に送って」
「了解です」
向かい側のデスクの佐渡 美紀が、パソコンを操作しはじめる。
私は席を立ってコーヒーを買いに行った。
私は警察だ。
アメリカで言うところのCIAの様な仕事で、目に見えない犯罪組織や凶悪犯を捕まえるのが仕事。
交通事故等は所轄に任せる。
死ぬかも知れないって事もしばしば。
まぁ、始めは怖かったけど、今は殉職して出世できるだけマシかと思ってる。
コーヒーを二つ買って戻ると、既にデータが送られて来ていた。
「さすが美紀ちゃん、早いね」
「えへへー。ありがとうです!」
ちょっと此処は「特別」なのだ。
美紀ちゃん、実はまだ10歳の女の子。
稀にある、IQ200とか、そんな娘。
私より頭が良いため、此処では皆のデータバンク。
美紀ちゃんにコーヒーを渡し、私はデスクに着いた。
「最近ー、去年よりー、4万位減ってますよぉ」
「嬉しい事だわ」
缶コーヒーの狭い口からスティックシュガーを入れる姿を眺めながら、上の空で答えた。
ココアの方が良かったみたいね。
「よぅし、混ぜ混ぜ〜」
缶コーヒーの口にマドラー差して混ぜる美紀ちゃん。
彼女はこの歳でこの様な仕事をしてるため、友達が少ないそうだ。
この健気な女の子は、どんなに頭が良くてもまだ子供。
せめて私はこの子の友達で居よう。