バラバラ死体とシャルウィーダンス
「今外すからね」
「有難う御座居ます……」
私の手足の枷の鍵を外しながら、奥さんはにっこりと笑った。
「さて、宮崎クロエくん」
拳銃を向けたまま、フジハラさんはにこやかに笑いかけた。
「もうゲームオーバーだよ?」
「俺はまだ負けてない!」
「まだそんなこと言うの?」
態とらしく唇を尖らせ、すねた様な表情を見せるフジハラさん。
今や宮崎クロエには、何人もの警察が銃を向けている。
「さあ、おねむの時間だ」
宮崎クロエの真横で、美幸ちゃんが
「ああ、そうそう、紹介する。自慢の娘なんだ」
「…………っ!?」
宮崎クロエが反応した頃には、美幸ちゃんは竹箒を振り被っていた。
「名前は美幸っつうんだが、母さん似で肝っ玉があるんだ」
そう言ったフジハラさんの足元に、宮崎クロエが倒れこんだ。
「へなちょこ」
竹箒を得意気に肩に乗せ、美幸ちゃんは男らしく言った。