バラバラ死体とシャルウィーダンス
「は? じゃあなんで今公開してんの?」
私は携帯にそのサイトのURLを入力し、アクセスしてみた。
白い背景に、只の棒人間が刀を持った姿があった。
「ちくしょー、何かでバリアしとる! ぜってー潰す!」
美紀ちゃん、ご乱心だ。
私は恐々と訊いた。
「なんで、強制停止させたのに、また復活してるのかな」
「多分、パソコンが二台あって、それぞれ別のアカウントを作って(略)……っていうやり方でサイトのコピーを作り続けてるんです」
「さっっぱり解らん」
「スパイソフトを直接入れるしか手はないか………。絶望的です……」
美紀ちゃんがこんなに落ち込んだのを見たのは初めてだ。
キーボードに触れた手がぷるぷると震え、『殺人倶楽部』なるサイトのトップを睨みつけている。
「中、見たの?」
「…………」
美紀ちゃんは首を振った。
「此を見て頭に来て、すぐ強制停止にしたから」
「じゃあ、ちょっと中見て見ようか」
私は美紀ちゃんのパソコンを引き寄せ、マウスを操作してメインページにクリックした。
『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあ!』
「うわっ!?」
いきなり、画面に知らない中年女性の顔の映像が映り、スピーカーから凄まじい悲鳴が出た。
周りの目が痛い。
「ちょっと! スピーカーの切り方教えて!」
「あわわわわこれ!これです!」
美紀ちゃんが慌てて押したボタンで、音量が下がった。
私はそのボタンを連打し、音を全て消した。
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