バラバラ死体とシャルウィーダンス


「は? じゃあなんで今公開してんの?」



私は携帯にそのサイトのURLを入力し、アクセスしてみた。


白い背景に、只の棒人間が刀を持った姿があった。



「ちくしょー、何かでバリアしとる! ぜってー潰す!」



美紀ちゃん、ご乱心だ。

私は恐々と訊いた。



「なんで、強制停止させたのに、また復活してるのかな」


「多分、パソコンが二台あって、それぞれ別のアカウントを作って(略)……っていうやり方でサイトのコピーを作り続けてるんです」


「さっっぱり解らん」


「スパイソフトを直接入れるしか手はないか………。絶望的です……」



美紀ちゃんがこんなに落ち込んだのを見たのは初めてだ。

キーボードに触れた手がぷるぷると震え、『殺人倶楽部』なるサイトのトップを睨みつけている。



「中、見たの?」


「…………」



美紀ちゃんは首を振った。



「此を見て頭に来て、すぐ強制停止にしたから」


「じゃあ、ちょっと中見て見ようか」



私は美紀ちゃんのパソコンを引き寄せ、マウスを操作してメインページにクリックした。













『ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあ!』








「うわっ!?」



いきなり、画面に知らない中年女性の顔の映像が映り、スピーカーから凄まじい悲鳴が出た。

周りの目が痛い。



「ちょっと! スピーカーの切り方教えて!」


「あわわわわこれ!これです!」



美紀ちゃんが慌てて押したボタンで、音量が下がった。

私はそのボタンを連打し、音を全て消した。




.
< 6 / 45 >

この作品をシェア

pagetop