花が咲く頃にいた君と
日常の終わり

平凡な日常

今日は確か、13日の金曜日だった。

そんなことを、ぼーっと思いだしながら欠伸を一つ。

予想外に大きなそれに、顎が痛くなった。

生理的に浮かぶ涙を、瞬きで誤魔化して、頬杖ついて窓の外を無気力に横目で見やった。


昼休みのこの時間、クラスの男子はサッカーでグランドを駆け回っている。

何が楽しいのか、汗だくになりながら、必死にボールを追い掛けている。

それを女子は窓から眺め、黄色い歓声を上げる。

「ヤバい、ヤバいよ!伊吹くん、かっこよす!!!」

悶える女がここにも一人。

「ちょっと結女も見てみなよ!い・ぶ・き・くん」

語尾にハートマークなんか付けて、正直気持ち悪い。


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