花が咲く頃にいた君と
「お前があの根倉以外で取り乱すとは」

「取り乱しもするわ、ボケ!早く下ろせ!!」


両手で横峯のがっしりした背中を叩くけど


担がれているせいか、全く力が入らない。



横峯はあたしのスカートを抑え、腰に手を回す。


東向日とは全く違う、がっしりした腕。



「もう、下ろしてって」


教室を飛び出して、横峯は優雅に廊下を歩く。


さすが、イケメン三人衆が一人、横峯 英治 みんなが道を開ける。


そして同時に集まる、あたしへの鋭い視線の数々。



痛い。痛い。

視線が突き刺さってる。



「お前、あの根倉が好きなのか?」



まさか、そんな質問がくるとは思わなかった。


暴れていた身体は自然と止まって、入れ替わる様に、鼓動がはしゃぎ出す。



「好きとかそんなんじゃないわい!!」



真っ赤になるのは、頭に血が上ってるから?


それとも…



「そうか、なら俺と付き合えよ」


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