花が咲く頃にいた君と
家に着くのは11時頃。

見上げた先、家だけ電気が付いている。

築30年くらいはいってると思われる、アパートは階段を上がるとカンカンと音がする。

家賃は3万3千、洗濯場共同、デジタル時代から遥か遠ざかっているここが、あたしと父のクラス、アパート、青月壮だ。


友達を家に連れてきたのは、小学校3年が最後。
あの時のことは今でも忘れない。


家に訪れた子は、このデジタルな時代に、あまりにアナログな家にカルチャーショックを受けていた。


今じゃ、連れてくる子さえ居ないけど、もし居たとしても、もう一生連れてこない。


「ただいま」


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