花が咲く頃にいた君と
真っ暗な世界に、浮かび上がるオレンジの光。



それは温かさを演出してるらしいが、


どこか無機質で、暗い。



「ふゆちゃんが好きだ」




その人のこと、あたしは何も知りませんでした。




けど独りが嫌なあたしは、狡くて汚い。





その人の手を、何の躊躇いもなく選んだ。




衣夜さんの顔がオレンジに照らされて、妖艶に笑んだ…気がした。




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