花が咲く頃にいた君と
教室に入るなり、待ってましたとばかりに、如月は俺の肩を掴んだ。



「1時間目、サボらないか」




鬱陶しい前髪も、分厚い眼鏡も、全て取っ払っらい、全てに冷めた眼差しを向ける



俺の知る如月がそこにはいた。



きっと今朝はそれで来たのだろう、クラスメイトはざわつき、遠目に噂していた。



“あれ、誰!?”
“えっ、あんなイケメンうちの学校に居た!?てか、クラスに居た!”
“ちょ、誰か話し掛けなよ!”



今まで見向きもしなかったくせに、イケメンと解ればこの反応。


…現金な奴等だ。



それは俺も対して変わらないか。



「あぁ、校舎裏でいいだろ」



俺たちが教室を出た後、クラスメイトが個々に廊下へ、身を乗り出し俺たちの動向を見守っていた。



痛いほど背中に突き刺さる視線、きっとそれに気付いているのは俺だけだ。


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