花が咲く頃にいた君と
呟いたのは、横峯だった。

しかもお面の隙間から、楽しそうに口元には笑みを浮かべているのが見えた。



そう言えば好きだったな、お前。


こうゆう映画の、悪役的ヒーロー…



「なんか楽しくなってきた」


ちゃっかり影響されてる伊吹。


俺はお面越しにため息を吐きながら


「後は任せた」


と2人とは違う方向へ駆け出した。


“おい、待て!”

“お前らの相手は俺らだって!”


それなりに訓練している筈の守衛は、伊吹と横峯のペイントガンの餌食となった。


林を抜けて、屋敷の裏側に回って、やっと抜けれた中庭。


そこによく見知った女は居た。


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