花が咲く頃にいた君と

初めての友達

初めて病院を訪れたのは、小学校一年生の時


当時あたしは、学校で苛めを受けていた。


まぁ、小学生の苛めなんてたかが知れていたけど

あたしを闇に突き落とすには充分だった。



病院を訪れたのは、単なる気まぐれだった。

別に病気だったからとかじゃない。ただ、気紛れに立ち寄ったのだ。


あたしはそれはそれは健康な子供だったから、歯医者とかくらいしか縁がなくて


こんなに大きな病院には、きたことがなかった。


大きな病院は当時から綺麗だった。


あたしは病院内を彷徨って、怪しまれるのではないかと、ビクビクしながら

結局、建物内には入れず、その周囲の庭を散策するしか出来なかった。



芝生の綺麗な庭には、シロツメクサが咲き乱れていた。



凄く綺麗で、駆け寄ってみると、タイミング良く目の前に麦わら帽子風に飛ばされてやってきた。


「ごめんなさい!」


それがあたしと小夜の出会いだった。


あの時、麦わら帽子を拾わなければ

あたしがもう少し大人だったら

あたしたちは“友達”になることはなかったんだろう。



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