花が咲く頃にいた君と
そして小夜は話してくれた。


自分も心が痛いのだと。


大きな病気を抱えていて、入院していること。

運動の一切が出来ないこと。

その病気は、手術をしないと直らないということ。

そして周りの大切な人に、心配ばかりかけてしまうこと。


けど小夜は怖くないと言った。


だって自分には、一緒にいてくれる人が沢山居るからと。



純粋で無垢な小夜。


沢山の人に愛されて、心配されて、羨ましいと思った。

そしてそんな小夜の大切な人の一員になれたことが何より嬉しいと思った。


小夜にとってあたしは大切で

あたしにとっても小夜は大切で


あたしたちは、確かに“友達”だった。



こんな風な関係がずっと続くいていくんだと思った。


いや、思ったわけじゃない。これが当たり前であると信じて疑わなかったんだ。


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